「切っちゃったの?あ〜ぁ。せっかくカズから電話だったのにね〜」
こちらは、日本側サイド。
明は夏基の家でその電話を受けていた。
冬の声も聞こえそうな季節、俺たちは暖房の入った居間にいたんだ。
「知らない!!僕には関係ないもん!アイツが馬鹿なんだろう!?毎日毎日!!」
呟く俺に、興奮の収まらない明は怒鳴った。
「馬鹿って・・・・。仮にも、フランスの名門音大の大学院生を・・・・」
ゲンナリしながら、文広までが突っ込む。
「頭がいいからって、馬鹿はバカ!!もう知らない!!」
そう言って目の前のコーヒーをがぶ飲み。
小さいころから、イラつくと暴飲暴食に走るからなぁ・・・。明って。
「とか、言いながらカズと仲いいじゃんか?明日になれば、普通に話すんでしょ?」
――また、喧嘩もするんだけどね・・・。
出かかった言葉を、俺は噤んだ。
「嫌いなの?カズのこと。男同士に嫌悪がある訳じゃないだろう?」
かって知ったる俺の家で、コーヒーのおかわりを入れながら文広が聞く。
そうなんだよね。俺が高校に入ってやっと文広と結ばれたとき自分のことみたく喜んでくれたんだから。
「・・・・・・・」
うん?押し黙ったぞ??
「どう思ってるの?カズのこと。」
もっと、ハッキリとした質問に変えてみた。
「・・・・・好き。でも!!LIKEであってLOVEじゃない!!」
あぁ、カズに聞かせたくないよね〜。こんなセリフ。
「僕達と同じってこと?」
「うーーーん・・・・」
文広の追い討ち。コイツって、相手を落ち着かせるの上手だよなぁ。
俺が聞いたら、関係ないだろ!!ぐらいのことは返ってきそうだ。
こうなったら、誘導尋問は文広に任せて、高みの見物と決め込もう。
「大好きなのには変わりないよ。ずっと5人一緒だし」
悩みながら、答える明を静かに見つめつつ続きを待った。
「・・・・世界で一番カズが好き。」
おぉ!!それが本音か!?
やっぱり素直になれないだけだったのか・・・vv
「じゃぁ!カズのこと受け入れるよね??」
ガタンと椅子から立ち上がって、迫ってしまった。
だって、うれしいじゃない!?カズが明に告白してから3年だよ?
長かった!!うん!!
そんな風に思う俺の目に、眉を顰める明の顔が映った。
「だ・か・ら!!好きだけど、愛してないの!!恋人とは別!!僕にパートナーが出来ても、変わらない!!そういう意味で、世界で一番の親友!!」
はぁ〜〜〜〜???なんつー屁理屈??
「じゃぁ・・・・。恋人には・・・・」
「ならないね!世界で一番好きな親友だよ!!夏たちと一緒!!」
脱力・・・・・・。
コイツの頭ってよめね〜〜〜〜。
「アハハハハハ・・・・・・」
こんなときでも、穏やかにコーヒー飲む文広の乾いた笑い声が部屋に響いた。
一昨日の感動的な防音室での出来事は幻だったのか??
なんなんだ??この二人!?
15年付き合ってても読めない。謎だ!ナゾ!!ミステリーよりも素晴らしいぞ!!
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